10月の自殺者、年間のコロナ死者上回る
朝から目を覆いたくなるニュースの見出しですね・・これは。ほぼ引用になってしまうのですが、一度は目を通しておくべき記事だと思うのでそのまま載せていきます。
『政府の統計によると、日本では10月の国内の自殺者数が年初来の新型コロナの死者数を上回った。警察庁が発表した同月の自殺者は2153人と前月から急増。一方、厚生労働省がまとめる日本の新型コロナ死者の合計は、11月27日時点で2087人となっている。
日本は主要国中、その時々の自殺者のデータを公開する数少ない国の1つだ。例えば米国の場合、直近とされる全国のデータは2018年のものとなる。日本のデータに基づき、他国は新型コロナの感染対策が精神衛生に及ぼす影響についての知見を得られる可能性がある。そこではどういったグループが最も弱い立場に置かれるのかも明らかになるとみられる。
自殺の問題に詳しい早稲田大学の上田路子准教授は、日本ではロックダウン(都市封鎖)が行われず、ウイルスそのものの影響も他国と比較して軽微だったにもかかわらず自殺者は大きく増加していると指摘する。これは将来的に他の国々でも同等か、より多くの自殺者が出る可能性を示唆しているという。』
ウイルスそのものの影響も他国と比較して軽微だったにもかかわらず自殺者は大きく増加している」--これってとても恐ろしいことじゃないか?と個人的には思います。
『(中略)しかも自殺の増加は女性においてより顕著だ。自殺者全体に占める割合では男性を下回るものの、自ら命を絶つ女性の数は増えている。今年10月、日本における女性の自殺は前年同月比で約83%増加した。これに対し、男性の自殺は同22%の増加だった。
考えられる理由はいくつかある。女性は宿泊、飲食、小売りといった業種にパートタイムで就いている割合が高く、コロナ禍による解雇の影響を強く受ける。冒頭のコバヤシさんは、多くの友人が解雇されたとしたうえで、日本社会は女性を顧みず、状況が悪化すると最も弱い立場にある人たちが真っ先に切り捨てられると語った。
(中略)調査からは、収入の不安に加え、家事や育児の負担が急激に重くなったことに苦慮する女性たちの姿も浮かび上がる。学校や保育所の閉鎖を受け子どもが家に長くいるようになれば、仕事を続けていても、その面倒を見る責任はたいてい母親が負うことになる。
子どもの健康に関する不安もまた、ストレスとして母親たちにのしかかる。35歳の匿名希望のアカリさんは、早産で生まれた息子が6週間入院し、常時心配してしまう状況の上に新型コロナの流行が発生。子どもがコロナに感染しないか、最悪のケースをいつも考えるようになったと心理的負担を語った。』
今回のブログで皆さんに一番読んで欲しいと、私がそう思ったのが以下の部分です。
『(中略)日本には、孤独や苦悩を打ち明けることを不名誉と捉える風潮がまだある。
うつについて話すことを「恥」と捉えることが、人々を押しとどめてしまっていると上田准教授は語る。そういった事柄は公の場で話すものではなく、友人を含めた誰とも話すものではないという意識があるという。そして、そうした意識が人に助けを求めるのを遅らせてしまう日本の潜在的な文化的要因の一つになっていると指摘する。』
苦しくても辛くても、どうか、絶対に、独りで抱え込まずに。お願いいたします。
(1月22日追記。コロナ感染の30代女性、自宅療養中に自殺)